(一社)西尾市文化協会設立50周年にあたり

                     会長 杉田愛次郎 

 

1972年(昭和47年2月)に本協会が地域文化の担い手として文化をこよなく愛する先達が集い、早くも50年が経ちました。

多くの先輩、先達の努力が実り、県内有数の文化協会として現在を迎えました。行政はじめ数多の地元企業、個人会員の暖かい応援の賜物と思います。

西洋の諺に文明の跡には無機な砂漠が、文化の跡には豊かな緑が残るとあります。

また、文化は心の支え、励み、夢など多様な無限の豊かさを差し伸べてくれます。

しかしながら高齢化による会員減少は抗し難く、現状を真摯に受け止めつつ、その中で会員の英知と積極的な参画がこの難問解決の要と思います。

2025年初春には文化会館が新装されます。指定者管理の受託を得てここを拠点とし、一色、吉良、幡豆文化協会の皆さんと共通する課題を基に連携を深め、次の世代に誇りを持って文化を伝えて参りましょう。



特別企画 夢を育む「文化の樹」

文化祭では、子どもたちの夢や将来なりたいものを募集し、市内15校から約850人の「夢カード」が集まりました。「文化の樹」として幹や枝に葉っぱとして夢カードがつるされて、大きなオブジェができ、文化会館入口に美しく展示されました。

当日は多くの参観者があり、ベンチでは市民が語り合う憩いの場所にもなりました。これからも文化協会会員は一丸となって子どもたちの夢を応援していきたいと考えます。西尾の未来、西尾の文化をみんなで協力して育みたいものです。

文協美術展

 

美術部は文協美術展として開催され、2階と3階会議室では「書」「日本画」「洋画」「趣味」また2階展示室では「デザイン」「写真」1階ホワイエでは「水墨画」の各々力作の展示があり、今回はデザイン及び写真部門から鳥居賞が選ばれました。デザインでは、山本幸恵さんの「ELK」、写真では野口要二さんの「親子」が選ばれ、杉田会長より賞状と賞金が贈呈されました。今回は催しものが多く駐車場も満杯でお客様も分散され、いつもの賑いとは少し違う感じがしました。

 

作品展を催して

文芸部は昭和47年、西尾文化協会発足と同時に第1回市民短歌大会、市民俳句大会を催し文化協会と歩みを共にして参りました。大勢の先輩方が尽力され協会の中でも重要な位置を占め活躍されました。

昭和50年から「文芸吟行会」として短歌、俳句部員合同でバスによる日帰りの旅を企画して西尾市内だけでなく近隣他市も足を延ばし、実力を磨き親睦をはかりました。昭和62年からは「文芸講演会」を開催し、短歌、俳句、川柳持ち回りで専門の講師を招き勉強を重ねて参りました。

 50周年に当たって、文芸部では現会員を中心に自作の歌、句を短冊だけでなく色紙 軸装 写真など自由に書いてもらい展示する事としました。また、過去に活躍された先輩方の作品も出して戴きました。初めて短冊に作品を書くのに苦しんだり、楽しんだりそれぞれの工夫でバラエティー豊かな展示となり沢山の人に見ていただきました。「俳句やってみたい」など嬉しい言葉かけもいただき和やかで心豊かな作品展となりました。

日本の伝統芸能にふれるひとときを

 

10部門16会派の発表でした。地味な部門ですが、これも次世代に伝えていく大切なものと思います。各会派ともそのことを念頭に置いて、より良いものを目指して稽古に励んできました。私たちが取り組んでいる伝統芸能を少しでも知っていただくこと、少しでも興味を持っていただくことを願って演じました。

参加[部門]会派

 [日本舞踊]寿栄貴美会、弥月会、路郁会、小みち会、信咲会

 [詩吟]西尾詩吟同好会 [剣詩舞道]日本壮心流西尾教場

 [箏曲]きらゝ会 [尺八]竹司会

 [民謡]乙坂会 [詩吟舞道]秋愛会 [能楽]恵謳会 

 [大正琴]愛悠加泉会、琴静会、琴衣会 [詩舞道]柳栄会

 

家康を訪ねて、西尾歴史ロマンの旅

 

学術部西尾歴史愛好会は、昭和47年に名画鑑賞会として発足し、やがて歴史好きが増えて、50年代には現在の西尾歴史愛好会が誕生しました。同時期に市が実施していた「市民歴史講演会」が文化協会に委託され、西尾歴史愛好会がこれを受けて現在まで続いています。さて、50周年の今年はNHK大河ドラマ「どうする家康」が放映されました。西尾を世間に発信する好機到来と捉え、昨年作成した「家康マップ」を拡大印刷し文化会館大ホールに展示し、同時に「家康マップ」を配布。来場の方々に、家康が残した多くの西尾での足跡、エピソードを周知していただきました。

「歌って伝え、奏でて繋ぐ、文化の輪」

音楽部6団体、西尾市民吹奏楽団、西尾合唱団、なみの音、ドレミファコーラス。西尾さざ波コーラス、西尾フィルが小ホールで演奏しました。各団体それぞれユニークな自己紹介から始まり、アットホームで手作り感のある演奏会となりました。

「音楽やろうよ、楽しもう」と題して、市民有志のライブ演奏の場を設けました。西尾第九を楽しむ会、竪琴ミュージックの会、ブラスアンサンブルLet’s、オカリナハートズ、弦楽三重奏トリオ西尾、木管五重奏アンサンブル響木、吹奏楽Tuttiの7団体が参加され、小ホールや大ホールホワイエで、それぞれ個性のある音楽を披露されました。

第34回洋舞フェスティバル2023

洋舞部所属の4団体が出演しました。また特別企画「みんなで踊ろう」のコーナーでは、お客様と一緒に歌、踊り、リズム遊びを楽しみました。終始、舞台と客席が一体となった素晴らしいフェスティバルになりました。

 

 

伊藤裕子創作舞踊研究所

2006年第13回目から洋舞部に所属し17年がたちます。50周年を迎え、子どもたちの創作舞踊作品が増え、一人ひとりの感性を豊かに可能性と夢が花開く!でつなげます。

 

 

 BALLET CLASSIE

西尾市一色町で活動するバレエクラッシーから40名の生徒が初めて出演させて頂きました。生徒達による迫力あるバレエは客席を魅了し大いに盛り上がりました。

 

フラメンコスタジオAmanecer

フラメンコの魅力は年齢に関係なく誰でも舞台で輝けること。今回も10歳~70歳の幅広い年代が自分なりのフラメンコを表現しました。

 

リュールバレエ

普段のレッスン風景を舞台で演じました。素敵な衣装と笑顔で踊り、ご家族やお友達に披露し、客席からの沢山の温かい拍手でまた一つ成長する事ができました。

物故者追悼茶会と呈茶

 

 

文協50周年事業では、まず式典の前に壇上にて歴代の会長、物故者に対し献茶を厳粛に執り行うことが出来ました。

4月1日、2日においては、表千家・裏千家・宗徧流・煎茶席が設けられ、それぞれの趣向を凝らされた茶席となり皆様に楽しんでいただけました。

 

四流派でいけ花展


華道部は、池坊、華道彩生会、真生流、専正池坊の四流派で活動をしています。四流派で毎年諸流総合いけ花展を行い、また年に1度研修旅行を行っております。

今年は、文化協会50周年と記念の年でした。文化協会設立50周年記念文化祭では、流派毎に、大作を出すことに決めました。池坊は、松と桜で二株の砂物を、華道彩生会は、ボタンを主に、真生流は竹を主に、専正池坊は、ランを主に、見事な作品が出来上がりました。来場していただいた皆様からは、四流派の大作が一堂に鑑賞でき、大変見応えがありました。とお褒めのお言葉をいただきました。

これからも、文化協会に身を置き、各流派の交流を心掛け「いけ花」を通して文化かおる街づくりに少しでも貢献できれば幸いに思います。今後とも、いけ花を通じて更なる交流を深めて、人の輪を作っていければと願っています。 

 

潤いある生活をめざして

趣味部もここ数年、コロナ禍で活動が停滞していたが久々の大イベントでみんな張切りました。

"ね竹"、"水石"はとっておきの一品を展示しました。

ね竹の造形美と水石の自然美は、見る人の心を和ませてくれます。

囲碁大会は、一般参加者も募っての開催で、人間と人間の熱き頭脳戦。見る人の心を燃えさせました。市民の皆様も満足されたと自負しております。

50周年という節目の大イベントの一翼を担え会員それぞれ、感謝に堪えません。私たちは、市民の皆様と一体になれるような文化活動にするべく精進してまいる所存です。